日本周産期・新生児医学会 母体・胎児専門医 春名百合愛監修
「足がダル重い」「血管がボコボコ出てきた…」妊娠中に鏡を見て、あるいは足の違和感で初めて気づくのが「静脈瘤(じょうみゃくりゅう)」です。
見た目の変化に驚く方も多いですが、実は妊婦さんの多くが頸管するトラブルの一つ。今回は、なぜ妊娠中に静脈瘤ができやすいのか、その原因と、日常生活でできる工夫について解説します。
何が引き起こしている?妊娠静脈瘤とは?
静脈瘤とは、血液を心臓に戻すための血管(静脈)の中にある「弁」がうまく働かなくなり、血液が逆流したり溜ったりして、血管が太く蛇行して浮き出て見える状態を指します。
多くは下半身に静脈瘤が生じやすく、10~20%の割合で下肢静脈瘤ができると言われていますが、妊婦さんの場合は外陰部(陰部の周り)にできる「外陰部静脈瘤」に悩まされる方も少なくありません。
妊娠中に静脈瘤ができやすい原因は?
①子宮が大きくなるため
胎児が成長して子宮が大きくなると、骨盤内の静脈が圧迫されて流れが悪くなります。血液がうっ滞し(足の血液が心臓に流れにくくなり)、下肢の血管がぼこぼこと浮き出てしまうのです。
②女性ホルモンの影響
妊娠中に多く分泌されるエストロゲンやプロゲステロンなどの女性ホルモンには、血管壁をゆるませ縮まなくさせる働きがあります。これにより血管が広がりやすくなり、血液を押し戻す力が弱まってしまいます。

③血液量の増加
赤ちゃんに栄養を送る為、ママの体内の血液量は妊娠前の約1.5倍にまで増えます。増えた血液を循環させることは、血管にとって大きな負担となります。
静脈瘤が悪化しないようにできること
妊娠中に静脈瘤ができてしまった場合は、悪化させないようにケアしていくことが大切です。妊娠中は、手術や内服治療は通常行われません。出産後は自然と軽快することが多いですが、妊娠中の「だるさ」や「痛み」を和らげるために、以下のことを試してみましょう
①着圧ソックス(弾性ストッキング)を着用する
着圧ソックス(弾性ストッキング)を着用すると、足に血が溜まるのを予防できます。さらに全身の血液循環を良くすることができます。
💡ポイント
市販のものより医療用の「弾性ストッキング」が効果的です。
②寝るときは足を高く上げる
寝るときや横になって休むときは、足を心臓より高くすると静脈瘤の予防になります。足の下に高さのあるクッションやタオルなどを置き、心臓より10~15cmほど高くなるようにしましょう。
③長時間の立ち仕事は控える
長時間の立ち仕事は血液のうっ滞を招くため、静脈瘤を悪化させる要因になります。妊娠中の立ち仕事は身体への負担も大きいため、できるだけ座って仕事ができる環境に整えることが大切です。難しい場合は立ち仕事の時間を短縮し、こまめに休憩を入れることが重要です。
💡ポイント
同じ姿勢がつすくときは、足首を回したり、上下にパタパタ動かしたりしましょう。「ふくらはぎの筋肉」は血液を押し流すポンプの役割を果たしてくれます。
④適度に身体を動かし適正体重を維持する
ウォーキングなどは足の筋ポンプ作用が働くため、静脈瘤の改善につながります。また、体重が増えすぎると、血管が圧迫され静脈瘤悪化の原因になります。太りすぎないようにバランスのいい食事と適度な運動を心がけましょう
⑤身体の循環を良くする
身体を冷やさないようにし、マッサージとお風呂で血流を改善することも静脈瘤の悪化を防ぐ対処法の1つです。
どの状態が異常?相談した方がいい?病院に相談するタイミング
静脈瘤そのものはすぐに妊娠やお産に悪影響を及ぼすものではありませんが、以下のような場合は早めにご相談ください。
- 血管のあたりが赤く腫れて、強い痛みがある
- 皮膚が茶色っぽく変色してきた
- 急に足が大きく腫れ、熱を持っている
当院の健診でや助産師外来では、足の状態をチェックし、症状に応じたマッサージやストレッチの紹介もできます。遠慮なくご相談ください。
産後改善することがほとんどです
静脈瘤は、お腹の赤ちゃんが順調に育っているからこそ起こる、体の変化でもあります。見た目に変化があり不安な気持ちになってしまうこともあるかもしれませんが、適切なケアで症状をコントロールすることは可能です。
そして、多くの場合産後改善していくのでそれほど心配する必要はありません。足に負担をかけない習慣を取り入れながら、マタニティライフを送ることが大切です。一人で悩まず「この重だるさをなんとかしたい!」と思ったら、いつでもスタッフに声をかけてくださいね。
最終更新:2026/2/5
戸越銀座レディースクリニック診療案内
戸越銀座レディースクリニックでは婦人科診療・妊婦健診を含めた産科診療の他に婦人科検診も行っております。定期的な婦人科検診による早期発見・治療が可能です。
産婦人科の診察に怖いというイメージを持たれる方も多くいらっしゃると思います。初めての方でも、女性スタッフによる声かけ・痛みの配慮・軽減・環境づくりに努めますのでぜひお気軽にお越しください。診療は日本産科婦人科学会・産婦人科専門医が行います。産婦人科に関してお悩みのある方は、ぜひご相談ください。
このコラムを書いた人
戸越銀座レディースクリニック 助産師新居 諒子
経歴
- 日本赤十字看護大学大学院国際保健助産学専攻 卒業
- 都内地域周産期センター産科勤務
資格
- 看護師
- 助産師

メッセージ
私は卒業後、地域周産期センターにて妊婦さんや赤ちゃん、そのご家族のケアを実践して参りました。
周産期センターでの勤務では、妊婦さんと関わる機会は多かったですが、地域で生活する女性と関わることは少なかったので、クリニックで幅広い年代の方々のサポートができることを嬉しく感じております。
当院に来院される皆さまが、受診後に少しでも過ごしやすくなっていただけるよう、助産師として働いていきたいと思っております。
戸越銀座レディースクリニックについて
品川区戸越・戸越銀座商店街にある戸越銀座レディースクリニックは、産科・婦人科の診療・検診を行っているクリニックです。
クリニックは戸越駅徒歩1分・戸越銀座駅徒歩4分の立地にあります。エレベーターが完備されており、お買い物・お出かけのついでにお越しいただけます。プライバシーにも配慮しながら受付から診察まで女性スタッフ・女性医師が対応、診療を通して患者様が気兼ねなく、快適に過ごせるよう努めてまいります。
〒142-0041
東京都品川区戸越3-1-2 イマーレビル B1F
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| 17:30-19:00 | × | ⚪︎ | × | ⚪︎ | × | × | × |
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