品川区で麻しんワクチン助成が始まります

品川区で麻しんワクチン助成が始まります

日本周産期・新生児医学会 母体・胎児専門医 
春名百合愛監修

令和8年7月15日から品川区で麻疹ワクチンの
助成が始まります

品川区では、麻疹(はしか)ワクチンの抗体検査・接種費用に対する全額助成が開始されます。

麻疹は非常に感染力が強く、免疫を持たない方が感染すると高い確率で発症する感染症です。妊娠中に感染すると妊婦さん自身だけでなく妊娠そのものにも影響を及ぼす可能性があるため、妊娠前から十分な対策をおこなうことが大切です。

現在品川区では風疹の抗体価検査は全額助成、ワクチン接種は5,000円助成がでます。「麻疹(はしか)」と「風疹」は名前が似ていますが、原因となるウイルスも、妊娠中のリスクも異なる感染症です。
どちらもワクチンで予防できますが、それぞれ注意すべきポイントがあります。


麻疹・風疹麻疹(はしか)とは?

麻疹(はしか)は、麻しんウイルスによって引き起こされる感染症です。人から人へ非常に感染しやすく、空気感染・飛沫感染・接触感染で広がります。感染力は極めて強く、免疫を持たない方が感染すると、ほぼ100%発症するといわれています。

初期には38℃以上の発熱や咳、鼻水、結膜充血(目の充血)など、風邪に似た症状が現れます。その後、一時的に熱が下がったあと再び高熱となり、全身に赤い発疹が広がるのが特徴です。
麻疹は子供の病気というイメージがありますが、大人が感染すると重症化しやすく、肺炎や脳炎などの合併症を起こすこともあります。

  • 妊娠を希望されている方
  • 妊婦さんと同居しているパートナーやご家族
  • 妊婦さんや新生児と接する機会の多い方
  • 医療・保育・教育・介護など、多くの人と接する職業の方
  • 麻疹にかかったことがなく、ワクチン接種歴が不明な方、または接種回数が分からない方
  • 麻疹ワクチンを2回接種しているか分からない方

上記の方は麻疹の抗体確認・ワクチン接種をおすすめしています。

妊婦さんが注意したい理由

妊娠中に麻疹へ感染すると妊婦さん自身が重症化しやすくなります。その影響で、

  • 流産
  • 早産
  • 低出生体重児

など、妊娠経過へ影響を及ぼす可能性があります。
一方で、麻疹は風疹のように赤ちゃんの先天異常(先天性風疹症候群)の原因となる感染症ではありません。


一方、風疹は比較的軽い症状で済むこともありますが、妊娠初期(~20週)に感染するとお腹の赤ちゃんが「先天性風疹症候群(CRS)」を発症する可能性があります。先天性風疹症候群では、

  • 先天性心疾患
  • 難聴
  • 白内障

などが生じることがあり、妊娠中に特に予防が重要な感染症の一つです。
そのため、「麻疹」は「風疹」と名前が似ていますが、妊娠中に問題となるリスクは異なります。


麻疹・風疹は生ワクチンです妊娠中はワクチンを接種できません

麻疹ワクチン・風疹ワクチン(MRワクチンを含む)は、生ワクチンです。そのため、妊娠中は接種することができません。

妊娠を希望される方は、妊娠前に抗体の有無を確認し、必要に応じてワクチン接種を済ませておくことが重要です。
また、ワクチン接種後は一定期間(通常2か月)は避妊することが推奨されています。そのため、妊活を始める前のタイミングで準備しておくと安心です。


ご家族も抗体の確認を

妊婦さんご本人だけでなく、一緒に生活するご家族の免疫も赤ちゃんを守るために重要です。
特に、

  • パートナー
  • 同居するご家族
  • 妊婦さんと接する機会の多い方

は、麻疹・風疹の抗体があるか確認し、必要に応じてワクチン接種を検討することをおすすめします。
ご家族が免疫を持つことで、感染を家庭内へ持ち込むリスクを減らし、妊婦さんを守る行動につながります。


品川区は接種費用全額助成助成制度を活用しましょう

品川区では令和8年7月15日から、都内における麻しん(はしか)の患者増加傾向を受け、19歳以上の区民で接種を希望する方などを対象に、麻しん抗体検査・予防接種の費用の助成を開始し自己負担なく接種できるようになります。
これから妊娠を考えている方はもちろん、ご家族もこの機会にご自身のワクチン接種歴や抗体の有無を確認し、必要な予防接種をご検討ください。



妊娠前に準備ができる感染症

麻疹は一人ひとりが免疫を持つことで、感染の拡大を防ぐことができます。ご自身を守るだけでなく、妊婦さんや赤ちゃん、免疫力が低下している方など、感染すると重症化しやすい方を守ることにもつながります。

妊娠中は「赤ちゃんのために何ができるだろう」と考える方が多くいらっしゃいます。
麻疹・風疹は、妊娠前に予防できる少ない感染症です。妊婦さんご本人だけでなく、ご家族みんなで感染予防に取り組むことがお腹の赤ちゃんを守ることにつながります。
当院では、当院にかかりつけの女性のパートナー・ご家族であれば男性でも抗体検査・ワクチン接種が可能です。風疹の抗体検査と同時検査も可能です。抗体やワクチンについてご不明な点がありましたら、お気軽に当院へご相談ください。

最終更新:2026/7/2


戸越銀座レディースクリニック診療案内

戸越銀座レディースクリニックでは婦人科診療・妊婦健診を含めた産科診療の他に婦人科検診も行っております。定期的な婦人科検診による早期発見・治療が可能です。
産婦人科の診察に怖いというイメージを持たれる方も多くいらっしゃると思います。初めての方でも、女性スタッフによる声かけ・痛みの配慮・軽減・環境づくりに努めますのでぜひお気軽にお越しください。診療は日本産科婦人科学会・産婦人科専門医が行います。産婦人科に関してお悩みのある方は、ぜひご相談ください。

この産婦人科コラムを書いた人

戸越銀座レディースクリニック 助産師久富 桜

経歴

  • 福岡水巻看護助産専門学校卒業
  • 総合周産期医療センター産婦人科病棟勤務
  • BFH認定産婦人科クリニック勤務

資格

  • 看護師
  • 助産師
  • トコちゃんベルト着用指導士
  • 妊産婦食アドバイザー
  • 離乳食アドバイザー

メッセージ

赤ちゃんにやさしい病院(Baby Friendly Hospital:BFH)にて勤務し、産後の母乳育児をはじめ、ご家族に寄り添ったサポートを行ってまいりました。
妊娠からお産までのはもちろん、退院後のご自宅に戻られてからの不安や悩みに向き合い、ママとパパが安心して育児に向き合えるようお手伝いしたいと思っています。母乳栄養・混合栄養など授乳方法についてのお悩みはお任せください!
一生懸命子育てをされるご家族と赤ちゃんに寄り添い、安心できる存在でいられるよう努めてまいります。

戸越銀座レディースクリニックについて

品川区戸越・戸越銀座商店街にある戸越銀座レディースクリニックは、産科・婦人科の診療・検診を行っているクリニックです。
クリニックは戸越駅徒歩1分・戸越銀座駅徒歩4分の立地にあります。エレベーターが完備されており、お買い物・お出かけのついでにお越しいただけます。プライバシーにも配慮しながら受付から診察まで女性スタッフ・女性医師が対応、診療を通して患者様が気兼ねなく、快適に過ごせるよう努めてまいります。

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