性器クラミジア感染症

性器クラミジア感染症

日本周産期・新生児医学会 母体・胎児専門医 春名百合愛監修

「最近、おりものが増えた気がするけれど、疲れているだけかな?」そんな些細な変化の裏に隠れている可能性があるのが「性器クラミジア感染症」です。実は、性器クラミジア感染症は性感染症の中で最も多いとされている病気ですが、多くの方が無症状で経過するといわれています。特に10代後半から20代の若い世代で感染が広がっています。
今回は、産婦人科の視点から、クラミジアがなぜ「女性にとって怖い病気」とされているのか、その理由などを分かりやすくお伝えします


8割の女性に自覚症状がありませんクラミジア感染症とは

クラミジア感染症ってどんな病気?

クラミジア感染症はクラミジア・トラコマティスという病原微生物による感染症です。
男性では尿道炎や精巣上体炎、女性では子宮頸管炎や骨盤内炎症性疾患などの他に、咽頭炎や結膜炎、直腸炎などの原因にもなります。
性感染症としては世界的にみても、最も多いとされます。最大の特徴は感染しても約80%の女性に自覚症状がほとんど出ないことです。
そのため、日常診療における性感染症の検査では第一に行うものになります。


性器クラミジア感染症検査や治療

ほとんどの方が無症状で経過します主な症状

  • 8割が無症状
  • おりものの量が少し増える、色がつく
  • 不正出血(生理以外の出血)がある
  • 性交時に痛みを感じる
  • 下腹部がなんとなく重い、痛い

無治療のままクラミジア感染症による卵管炎や付属器炎を長期に放置すると、卵管通過障害による卵管不妊や異所性妊娠の原因となります。また、腹腔内まで感染が広がると、激烈な腹痛を伴う骨盤内炎症性疾患(PID)や肝周囲炎(Fitz-Hugh-Curtis症候群)を発症することもあります。
近年、オーラルセックスによるクラミジア咽頭感染も問題となっています。妊婦さんが感染すると産道感染により赤ちゃんにも感染し、新生児クラミジア結膜炎、咽頭炎、肺炎などのリスクもあります。

スムーズに行えます検査・診断

おりものや咽頭検体を調べます。淋菌感染症と合併していることがあり、同時に検査を行うことが望ましいとされます。

<検査方法>
内診時に綿棒でおりものを少量採取。痛みはほとんどありません。
<治療方法>
処方された抗生物質を服用。多くの場合、1回のみの内服となります。

💡大切なのは「二人で治す」こと
クラミジアの治療でもう一つ重要なのが、パートナーも一緒に検査・治療をうけることです。片方だけが治っても、もう一方が感染したままだと、性交渉によって再び感染してしまいます。(これを「ピンポン感染」と呼びます)。お互いの身体を守るために、パートナーは泌尿器科に受診しましょう。

治療

無症状や軽症の場合にはマクロライド系やニューキノロン系の抗菌薬の内服が基本になります。劇症化する場合には抗菌薬の注射剤で対応する場合もあります。
治療効果が得られているが確認するために、治療終了から3週間以上あけて再度検査を行います。パートナーにも検査・治療を勧め、効果判定で陰性が確認できるまでは性的接触を避け、コンドーム使用をしましょう


妊娠中の感染での赤ちゃんへの影響は?

妊娠中の感染で母子感染のリスクがあります新生児クラミジア感染症

妊娠中の性器クラミジア感染症では、分娩の際に赤ちゃんへ経産道感染を起こすと、新生児クラミジア結膜炎、咽頭炎、肺炎などが発症することがあります。また、妊娠中のクラミジア感染症は早産や前期破水のリスクにもなります。
そのため、妊婦健康診査(妊婦健診)中にスクリーニング検査として子宮頸管分泌物のクラミジア検査を行うことが推奨されています。
治療には胎児への安全性を考慮しマクロライド系の抗菌薬を使用します。非妊時と同様に、3週間空けての効果判定が必要です。



パートナーとの同時治療が必要です

性器クラミジア感染症はSTI・STDの中で最も頻繁にみられる疾患です。恥ずかしがる必要は全くありません。
「心当たりがあるけれど、相談しにくい…」「パートナーが変わったから一度チェックしておきたい」そんな時は、お気軽に当院へご相談ください。あなたが将来の健康とライフプランを守るために、私たちがサポートいたします。
無症状で経過するため、気になる場合には産婦人科や泌尿器科で相談しましょう。

最終更新:2026/2/16




診療案内

 戸越銀座レディースクリニックでは婦人科診療・妊婦健診を含めた産科診療の他に婦人科検診も行っております。定期的な婦人科検診による早期発見・治療が可能です。
 産婦人科の診察に怖いというイメージを持たれる方も多くいらっしゃると思います。初めての方でも、女性スタッフによる声かけ・痛みの配慮・軽減・環境づくりに努めますのでぜひお気軽にお越しください。診療は日本産科婦人科学会・産婦人科専門医が行います。産婦人科に関してお悩みのある方は、ぜひご相談ください。

この産婦人科コラムを書いた人

戸越銀座レディースクリニック 院長・産婦人科専門医 母体・胎児専門医春名 百合愛(はるな ゆりあ)

経歴

  • 日本医科大学医学部卒業
  • 同大学女性診療科・産科入局後、大学病院・周産期センターにて勤務
  • 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・指導医
  • 日本周産期・新生児医学会 母体・胎児専門医

学会・資格

  • 日本周産期・新生児医学会 会員
  • 新生児蘇生法専門コース修了
  • 日本女性医学会 会員
  • 日本生殖医学会 会員

メッセージ

 私は医学部時代に自身が産まれた周産期センターで臨床実習をした際に、生命の誕生の奥深さに感動し、産婦人科医を志しました。大学病院入局後は、産婦人科学全般を学んで専門医を取得し、希望であった周産期分野に従事してまいりました。女性にとって妊娠・出産は大きなライフイベントであり、喜びとともに不安も尽きないと思います。その前後も含めたすべてのライフステージにおける女性が自分らしく健やかに生きるサポートをいたします。産婦人科というとなかなか受診のハードルが高いと感じる方もいらっしゃると思いますが、安心してご相談いただけるよう丁寧な診療を心がけますので、ぜひお気軽にお越しいただけましたら幸いです。

戸越銀座レディースクリニックについて

 品川区戸越・戸越銀座商店街にある戸越銀座レディースクリニックは、産科・婦人科の診療・検診を行っているクリニックです。
クリニックは戸越駅徒歩1分・戸越銀座駅徒歩4分の立地にあります。エレベーターが完備されており、お買い物・お出かけのついでにお越しいただけます。プライバシーにも配慮しながら受付から診察まで女性スタッフ・女性医師が対応、診療を通して患者様が気兼ねなく、快適に過ごせるよう努めてまいります。

〒142-0041
東京都品川区戸越3-1-2 イマーレビル B1F
・アクセス
 都営浅草線 戸越駅 徒歩1分
 東急池上線 戸越銀座駅 徒歩4分

時間/曜日
9:15-13:00⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎
14:00-17:30⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎××
17:30-19:00×⚪︎×⚪︎×××

★ 土・日曜日は8:30-11:30
(受付終了は診療終了時間の30分前)
※日曜日は月2回不定期での診療
※祝祭日は休診となります。