女性の身体と冷えについて

女性の身体と冷えについて

日本周産期・新生児医学会 母体・胎児専門医 春名百合愛監修

本日は助産師のコラムです。だんだんと春の温かさを感じる時期ですが、朝晩は寒い日も多いですね。夜お風呂に入った直後は温まっていても寝る前になると足先が冷えてなかなか寝付けない方もいらっしゃるのではないでしょうか。本日は冷えと女性の体の関係についてお話します。


冷えとは?

知ってますか?症状

数値化されている基準はなく、本人が「冷えて辛い」と感じると冷え性と定義されます。冷えには4種類のタイプがあると言われます。

<全身の冷え>
身体全体が冷たく感じるタイプです。筋肉量が少ない方や、加齢により代謝が低い方に多く、体温が低い傾向にあります。過度なダイエットをしている方や、女性や高齢者に多いです。
<四肢末端の冷え>
主に手や足の先が冷えるタイプです。体内で熱を十分に作ることができず、血液循環やリンパの流れが悪いと起こります。摂取カロリー不足や代謝の不足も関係し、比較的若くやせ型の方に多いです。
<下半身の冷え>
腰から下、主に足が冷えるタイプです。お尻やふくらはぎの筋肉が座る時間が長いことで凝ってしまうこと、下半身の筋肉不足・血液循環が悪いことが原因となります。男女とも30代以降に増加し、冷え性では一番多いタイプといわれています。上半身に熱がこもりやすく、のぼせる・顔がほてりやすくなって足は冷えても顔からの汗が止まらないこともあります。妊婦さんもこのタイプが多いです。
<内臓や局所の冷え>
身体の内部が冷えるタイプです。下半身型と同時に起こることもあります。体質によって起こりやすいですが、30代以降で太り気味の方が多いです。お腹が冷えるため胃腸などの内臓の動きが悪くなり、ガスがたまってお腹が張ると感じる方もいます。


冷えの影響

冷えることで血流が悪くなり、自律神経やホルモンバランスにも影響を及ぼします。子宮や卵巣への血行が悪くなると様々な不調の一因になることも。女性の身体には以下のような影響が多くあります。

  • 月経痛や月経不順
  • 肌荒れ
  • 疲れやすさ・不眠
  • 便秘や下痢

冷えと婦人科疾患の関係

冷えは子宮や卵巣の血流にも影響するため、以下のような婦人科疾患のリスクを高める可能性があります。

  • 子宮内膜症:冷えによって骨盤内の血流が悪くなると、炎症が広がりやすくなる
  • 卵巣機能の低下:血行不良により卵巣の動きが低下し、排卵がスムーズにいかなくなることがある
  • 子宮筋腫:子宮の血行不良により老廃物がたまりやすくなり筋腫につながりやすいことがある。

上記は中医学の考え方であり、すべての方に当てはまらないこともありますが、冷えがあることで疾患の可能性が高くなることは示唆されています。

冷えがもたらす妊娠、出産への影響

妊娠中は特にホルモンバランスの変化やお腹が大きくなることでの血流の変化の影響で冷えやすくなります。マイナートラブルを感じやすくなったり、お産にも影響があると言われています。具体的には以下が挙げられます。

  • つわりの症状が強くなる
  • むくみが強くなる
  • 便秘になりやすくなる
  • お腹が張りやすくなる
  • 陣痛が弱くなり、お産の時間が長くなる
  • 産後の回復が遅くなる

手軽にできる冷え対策

最初に冷えのタイプについてご紹介しましたが、冷え対策はタイプによっても異なります。ここでは全タイプに共通して行えること、妊婦さんでも取り入れることができる内容をご紹介します。

冷え対策その①食べ物・飲み物で体の内側から温めよう

<体を温める食べ物を意識して食べましょう>
スープやみそ汁、なべ料理や温野菜がおすすめです。特にニンジンやショウガなどの根菜類や寒い地域で採れる食べ物は体を温める効果があります。反対に暖かい場所で採れるもの(トマトやバナナなど)は食べすぎると体を冷やす作用があります。

<冷たい飲み物を避けましょう>
白湯やノンカフェインの温かいお茶がおすすめです。カフェインの取りすぎは体を冷やす効果があるので注意しましょう。常温以上の飲み物がおすすめです。

冷え対策その②三首を温めよう

首、手首、足首を温めることで体全体が温まります。ストールやレッグウォーマー、腹巻がおすすめですが、締め付けの強いものは血行不良を招くため避けましょう。
暑い季節で家の中で靴下を履かないときもレッグウォーマーを履いておくと冷えづらいです。

冷え対策その③入浴・足湯で外からも温めよう

38~40℃おぬるめのお湯に15分程度つかることをお勧めします。妊娠中はのぼせやすいので無理はしないようにしましょう。
湯船につからないときは足湯(42℃程度)を10分程度行うこともおすすめです。

冷え対策その④適度な運動をしよう

軽いストレッチ(肩回しや足首回し)だけでも効果があります。普段運動習慣がない方は積極的に取り入れましょう。可能であれば30分程度のウォーキングを取り入れることも効果的です。筋肉量の不足によって冷えは悪化するため、日ごろから冷えがある方は運動習慣を作りましょう。



まとめ

冷えについて少し理解が深まったでしょうか。冷えからくる女性の不調は当院で対応できるものも多いです。婦人科疾患の治療や、冷えに対しての漢方の処方も可能ですので、ぜひ医師にご相談ください。
妊婦さんができる運動や生活習慣の改善は助産師がいつでもお話しできます。気軽にお声掛けください。

最終更新:2026/2/16



戸越銀座レディースクリニックについて診療案内

戸越銀座レディースクリニックでは婦人科診療・妊婦健診を含めた産科診療の他に婦人科検診も行っております。定期的な婦人科検診による早期発見・治療が可能です。
産婦人科の診察に怖いというイメージを持たれる方も多くいらっしゃると思います。初めての方でも、女性スタッフによる声かけ・痛みの配慮・軽減・環境づくりに努めますのでぜひお気軽にお越しください。診療は日本産科婦人科学会・産婦人科専門医が行います。産婦人科に関してお悩みのある方は、ぜひご相談ください。

この産婦人科コラムを書いた人

戸越銀座レディースクリニック 助産師主任玉置 愛加

経歴

  • 東京都立大学健康福祉学部看護学科、助産学専攻科卒業
  • 都内地域周産期センター産科・NICU勤務

資格

  • 看護師
  • 助産師
  • ベビーマッサージ指導

メッセージ

私は助産学専攻科を卒業後、地域周産期センターにて妊婦さんや産婦さん、お母さんと赤ちゃんのケアに携わってまいりました。
また、NICU・GCU病棟での経験もあり、小さく生まれた赤ちゃんや疾患を抱える赤ちゃんのケアも行ってきました。
前職場の助産師外来では妊婦健診を担当し、産後健診ではお母さんのお話をたくさん聞かせていただきました。その経験を当クリニックの助産師外来でも生かせるよう、妊娠期やお産、産後を心も体も健やかに過ごせるよう、微力ながらサポートさせていただけたらと思います。
また、婦人科においては、安心して診察を受けていただけるように診察のサポートを努めさせていただきます。
どのようなライフステージにおいても「しんどいな、大変だな」と感じるときには、言葉にするだけでも心が軽くなることがあります。クリニックでいつでもお待ちしておりますので、ぜひお声掛けください。

戸越銀座レディースクリニックについて

品川区戸越・戸越銀座商店街にある戸越銀座レディースクリニックは、産科・婦人科の診療・検診を行っているクリニックです。
クリニックは戸越駅徒歩1分・戸越銀座駅徒歩4分の立地にあります。エレベーターが完備されており、お買い物・お出かけのついでにお越しいただけます。プライバシーにも配慮しながら受付から診察まで女性スタッフ・女性医師が対応、診療を通して患者様が気兼ねなく、快適に過ごせるよう努めてまいります。

〒142-0041
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時間/曜日
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★ 土・日曜日は8:30-11:30
(受付終了は診療終了時間の30分前)
※日曜日は月2回不定期での診療
※祝祭日は休診となります。



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