妊婦健診中に行われる随時血糖測定は、妊娠糖尿病のスクリーニングとして行われることがあります。随時血糖測定は、食事の影響をある程度受けるものの、妊娠糖尿病のリスクが高い妊婦さんの初期発見や早期診断に役立ちます。今回は妊娠糖尿病を診断するためのステップ・検査について詳しく説明していきます。妊娠糖尿病の病気についての説明は以下のページで説明していますのでご参照ください。
そもそも妊娠糖尿病とは?
血液中の糖分はインスリンによって体内の細胞に取り込まれエネルギーとして使われます。妊娠すると赤ちゃんへの糖分の供給を円滑にするために、胎盤からのホルモンの影響でお母さんのインスリン抵抗性が増大するとされます。特に妊娠後半期になるほどその影響は強くなり、血糖を正常に保つために必要なインスリンの量が増えていきます。インスリン抵抗性が強い場合や潜在的にインスリン分泌の異常がある場合には、インスリン抵抗性の増大に打ち勝つだけのインスリン分泌ができず血糖値の上昇をきたし、妊娠糖尿病として現れます。妊娠糖尿病の病気についての説明は以下のページで説明していますのでご参照ください。
妊娠糖尿病のための検査
妊婦健診中の妊娠糖尿病を診断するためのステップ
- 妊娠初期に随時血糖値
- 妊娠中期に随時血糖値もくしはグルコースチャレンジテスト(戸越銀座レディースクリニックでは1である随時血糖値を採用しております。)
上記1.2のいずれか検査が陽性であった場合に妊娠糖尿病の診断をするために75gOGTT(経口ブドウ糖負荷試験)検査を行います。ただし上記の検査をしていなくても、肥満や糖尿病の家族歴があったり、妊婦健診中に尿糖陽性が持続していたり、巨大児や羊水過多の傾向がある場合にも、随時検査を行うことがあります。
妊娠糖尿病を診断するためのステップ1 妊娠初期に随時血糖値
随時血糖測定(おおむね食後2〜4時間)を測定します。カットオフ値95もしくは100mg/dl未満で陰性とします。陽性の場合には診断検査である75gOGTT(経口ブドウ糖負荷試験)を行います。
妊娠糖尿病を診断するためのステップ2 妊娠中期に随時血糖値もくしはグルコースチャレンジテスト(GCT)
随時血糖測定もしくは50gグルコースチャレンジテスト(GCT)を行います。50gGCTでは50gのグルコース(甘い炭酸水)を経口負荷後1時間の血糖を測定し、140mg/dl以上を陽性とします。どちらかが陽性の場合には診断検査である75gOGTT経口ブドウ糖負荷試験経口ブドウ糖負荷試験)を行います。
上記の検査のみでは妊娠糖尿病の確定診断はできないため、あくまでスクリーニング(ふるい分け)の役割を担っています。
1.2いずれか異常値だった方で行う検査妊娠糖尿病の診断をする75gOGTT(経口ブドウ糖負荷試験)検査とは
3回の採血を行う75gOGTT(経口ブドウ糖負荷試験)検査の方法
- 空腹時血糖測定:検査前日21時より水以外の摂取を控えます。当日の朝、絶食状態で血糖値を測定を行います。これにより、基準となる空腹時血糖値が分かります。
- ブドウ糖負荷:75gのブドウ糖を溶かした液体を飲みます。
- 血糖値測定:負荷後、1時間後および2時間後の血糖値を測定します。
検査を行う上での注意事項
- 検査当日も、検査がすべて終わるまでは水以外の摂取をお控えください。
妊娠糖尿病75gOGTT(経口ブドウ糖負荷試験)検査の診断基準
- 空腹時血糖値が92 mg/dL以上
- 負荷1時間後の血糖値が180 mg/dL以上
- 負荷2時間後の血糖値が153 mg/dL以上
いずれか1つでも基準値を超えた場合は妊娠糖尿病の診断となります。
まとめ
妊娠糖尿病の検査は、妊婦さんの糖代謝異常を早期に発見するために行われ、母体および胎児の健康を守るために重要です。妊娠されている方は必ず受けるようにしましょう。
戸越銀座レディースクリニック当院に75gOGTT(経口ブドウ糖負荷試験)検査のスケジュール
医師より75gOGTT(経口ブドウ糖負荷試験)検査の必要性をご案内された方は当院受付または電話にて検査の予約をお取りください。(ネット・LINEでの検査予約は承っておりません。)
75gOGTT(経口ブドウ糖負荷試験)前日までの準備
前日21時以降は水以外の摂取はお控えください。
75gOGTT(経口ブドウ糖負荷試験)当日の予定
- 9:15頃までに来院
- 9:30 1回目の採血とともにソーダ水を飲む
- 10:30 2回目の採血
- 11:30 3回目の採血
*土曜日・日曜日受診の際は30分前倒しの予定となります。(8:45頃までにクリニックにお越しください。)
75gOGTT(経口ブドウ糖負荷試験)検査結果説明
結果はおよそ7日後にわかります。結果説明のための受診をご予約下さい。(ネット・LINEでの予約が可能となります。)
戸越銀座レディースクリニック診療案内
戸越銀座レディースクリニックでは婦人科診療・妊婦健診を含めた産科診療の他に婦人科検診も行っております。定期的な婦人科検診による早期発見・治療が可能です。
産婦人科の診察に怖いというイメージを持たれる方も多くいらっしゃると思います。初めての方でも、女性スタッフによる声かけ・痛みの配慮・軽減・環境づくりに努めますのでぜひお気軽にお越しください。診療は日本産科婦人科学会・産婦人科専門医が行います。産婦人科に関してお悩みのある方は、ぜひご相談ください。
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この婦人科コラムを書いた人
戸越銀座レディースクリニック 院長・産婦人科専門医里井 映利(さとい えり)
経歴
- 日本医科大学医学部卒業
- 日本医科大学付属病院 初期研修
- 周産期センター・総合病院 産婦人科 後期研修
- 総合病院 厚生中央病院 産婦人科 産婦人科常勤医師
- 複数企業にて嘱託産業医
学会・資格
- 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・指導医
- 日本女性医学会 女性ヘルスケア専門医・女性のヘルスケアアドバイザー
- 日本思春期学会 認定性教育講師
- 日本生殖医学会会員
- 日本周産期・新生児医学会 会員
- 日本女性心身医学会 会員
- 日本医師会認定産業医
メッセージ
私は主に目黒にある総合病院の産婦人科にて専門分野である女性医学を中心に周産期・婦人科腫瘍と幅広く学び、多くの患者様に接してきました。また私自身も、年齢の変化と共に起きる女性ならではの体の変化・症状に悩んできました。今まで培ってきたものを糧に思春期から更年期以降まで、患者様一人一人に適切な診療を提供できるかかりつけ医を目指していきたいと思います。女性のライフステージの変化に伴う些細なお悩みや変化に寄り添って、より快適な暮らしができるようお手伝いをいたします。地域の皆様にとって気兼ねなく相談できるようなクリニックづくりを目指してまいります。お気軽にご相談ください。どうぞよろしくお願い申し上げます。
戸越銀座レディースクリニックについて
品川区戸越・戸越銀座商店街にある戸越銀座レディースクリニックは、産科・婦人科の診療・検診を行っているクリニックです。
クリニックは戸越駅徒歩1分・戸越銀座駅徒歩4分の立地にあります。エレベーターが完備されており、お買い物・お出かけのついでにお越しいただけます。プライバシーにも配慮しながら受付から診察まで女性スタッフ・女性医師が対応、診療を通して患者様が気兼ねなく、快適に過ごせるよう努めてまいります。
〒142-0041
東京都品川区戸越3丁目1−2 地下1階
・アクセス
都営浅草線 戸越駅徒歩1分
東急池上線 戸越銀座駅徒歩4分
時間/曜日 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 |
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9:15-13:00 | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ | ★ | ★ |
14:00-17:30 | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ | ⚪︎ | × | × |
17:30-19:00 | × | ⚪︎ | × | ⚪︎ | × | × | × |
★ 土・日曜日は8:30-11:30
(受付終了は診療終了時間の30分前)
※日曜日は月2回不定期での診療
※祝祭日は休診となります。
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