RSウイルスワクチン(アブリスボ)

RSウイルスワクチン(アブリスボ)

RS ウィルス感染症は、新生児や乳幼児においてはウィルス性の風邪の主な原因のひとつで、ほぼすべての新生児・乳幼児や2歳までに感染するとされています。また、年齢を問わず何度も感染するため、生まれたばかりの赤ちゃんから高齢者まで、幅広い年齢層で感染するといわれています。
妊娠中のママにとって、おなかの赤ちゃんの健康は何よりも大切です。赤ちゃんは生まれた後、お母さんからの免疫(母子免疫)で守られますが、特にRSウイルス感染症は、新生児や乳幼児にとって重症化しやすい病気として注意が必要です。
この度、妊娠中に接種することで、生まれてくる赤ちゃんをRSウイルスから守ることを目的としたRSウイルスワクチン「アブリスボ」が導入されました。この記事では、RSウイルスの特徴と、アブリスボが赤ちゃんにもたらす予防効果についてご説明します。


RSウイルス感染症の特徴

RSウイルス潜伏期間

  • 感染後4日~6日の潜伏期間を経て発症

感染したときの症状

  • 発熱:37~38℃程度の微熱が多い
  • 鼻水、鼻づまりなどの上気道炎
  • 咳、喘鳴など

約3割の乳幼児が細気管支炎肺炎などの下気道炎を合併し、「ヒューヒュー」「ゼーゼー」といった喘鳴呼吸困難などの重症な症状を呈することがあります。

特に生後6ヶ月未満の赤ちゃんや、早産児心臓や肺に基礎疾患がある児などは重症化のリスクが高いです。重症化すると、入院治療が必要になるケースも少なくありません。


RSウイルス母子免疫ワクチンアブリスボワクチン

生後数か月の赤ちゃんの免疫機能は発達していないため、ワクチンを直接接種しても病原体に対する抗体が作られにくいとされています。そこで、母子免疫の仕組みを利用し、赤ちゃんのRSウィルスを防ごうというワクチンが考え出されました。
アブリスボは、妊娠中のお母さんに接種するRSウィルスワクチンであり、赤ちゃんのRSウィルス感染症に対する予防効果が期待されます。
このワクチンは、妊婦に接種することにより母体の体内でRSウィルスに対する抗体(RS ウイルス感染を阻止する抗体)を産生し、その抗体が胎盤を通じて母体から胎児へ移行する(移行抗体といいます)ことで、出生後の乳児をウイルスから守り、乳児におけるRSウイルス感染症を原因とする下気道疾患を予防します

接種時期

  • 妊娠24~36週に1回0.5mlを筋肉内注射
  • 当院では妊娠28~32週での接種を推奨しています

安全性について

アブリスボは国内外での臨床試験を経て承認されており、その有効性と安全性が確認されています。接種後の主な副反応は他のワクチンと同様に下記の通りです。これらの症状の多くは軽度で一過性です。

  • 接種部位の痛みや腫れ
  • 頭痛
  • 筋肉痛

RSウイルスワクチン(アブリスボ®筋注用)を妊娠中に接種した方へ

抗体の移行には一定の時間が必要です。接種後、お母さまの体内で作られた抗体は、時間をかけて胎盤を通じて赤ちゃんへと届けられています。
このワクチン接種は、赤ちゃんが生まれてくる最初の数か月間、RSウイルスに対する大切な「お守り」となります。しかし、予防効果は100%ではないため、引き続き、ご家族の皆様には以下の感染予防対策にご協力をお願いします。

  • 手洗い・うがい:外出後や赤ちゃんに触れる前の徹底
  • 咳エチケット:風邪症状がある場合はマスクの着用
  • 体調管理:ご家族の体調不良時は赤ちゃんとの濃厚接触を避ける

ご不明点や、赤ちゃんが生まれてからの体調のことで心配なことがあれば、いつでも当院にご相談ください。

最終更新 2025/11/21


医院名戸越銀座レディースクリニック
住所〒142-0041
東京都品川区戸越3丁目1−2 イマールビル地下1階
アクセス都営浅草線 戸越駅徒歩1分
東急池上線戸越銀座駅徒歩4分
電話/FAX番号電話番号 03-6421-5120
FAX番号 03-6421-5121
診療時間月・水・金  9:15-13:00/14:00-17:30
火・木    9:15-13:00/14:00-19:00
土・日    8:30-11:30
※日曜日は月2回不定期
※受付終了は終了の30分前迄
定休日祝日・日曜日(不定期)
その他路上駐輪はご遠慮ください
駐車場はご用意ありません