RSウイルスワクチン(アブリスボ)

RSウイルスワクチン(アブリスボ)

RS ウィルス感染症は、新生児や乳幼児においてはウィルス性の風邪の主な原因のひとつで、ほぼすべての新生児・乳幼児や2歳までに感染するとされています。
また、年齢を問わず何度も感染するため、生まれたばかりの赤ちゃんから高齢者まで、幅広い年齢層で感染するといわれています。
小さなお子さん(新生児や乳幼児)が感染すると重症化する可能性があります。感染した乳幼児の約30%が細気管支炎や肺炎などの下気道炎を引き起こして重症化し、強いせきやゼーゼー、ヒューヒューといった喘鳴、呼吸困難などの症状がみられるようになります。
また、RSウィルス感染で医療機関を受診した2歳未満児のうち、約25%が入院し、そのうち40%を占めていたのが6か月未満児でした。

RSウイルス母子免疫ワクチンアブリスボ

生後数か月の赤ちゃんの免疫機能は発達していないため、ワクチンを直接接種しても病原体に対する抗体が作られにくいとされています。そこで、母子免疫の仕組みを利用し、赤ちゃんのRSウィルスを防ごうというワクチンが考え出されました。
アブリスボは、妊娠中のお母さんに接種するRSウィルスワクチンであり、赤ちゃんのRSウィルス感染症に対する予防効果が期待されます。
このワクチンは、妊婦に接種することにより母体の体内でRSウィルスに対する抗体(RS ウイルス感染を阻止する抗体)を産生し、その抗体が胎盤を通じて母体から胎児へ移行する(移行抗体といいます)ことで、出生後の乳児をウイルスから守り、乳児におけるRSウイルス感染症を原因とする下気道疾患を予防します

接種時期

妊娠24~36週の妊婦に1回0.5mLを筋肉内に接種します。(当院では妊娠28~32週をおすすめしています)
※接種ご希望の方は、事前に申し出をお願いいたします。

RSウイルスワクチン(アブリスボ®筋注用)を妊娠中に接種した方へ

妊娠24~36週にワクチン接種を施行した場合は、母子手帳の予防接種の記録 (5)その他の予防接種欄に接種シールを必ず貼付します。 お子様が罹患し小児科外来に受診した際は、母子手帳を持参しご提示いただくようにお願いします。