無痛分娩の病院を選ぶ重要ポイント

無痛分娩の病院を選ぶ重要ポイント

日本周産期・新生児医学会 母体・胎児専門医 春名百合愛監修

本日は助産師のコラムです。以前のコラム、「出産(分娩)場所の選び方」でも触れていますが、今回は無痛分娩施設を探す際にチェックしたいポイントをより細かく挙げていきます。
「無痛分娩を選べば、どこでも同じように痛くない」と思っていませんか?実は、病院によって対応範囲やルールが大きく異なります。一番大切なのは、ご自身がどんな無痛分娩にしたいか?をよく考えておくことです。一口に無痛分娩といっても、無痛の麻酔を開始するタイミングや麻酔の量によって、痛みの程度は様々です。文字通り痛みゼロの状態を目指すか、陣痛が少し和らげばよいのか、陣痛に限界を感じた時点から無痛分娩にしたいのか…施設決定・分娩までにご自身の希望を明確にしておきましょう。
納得のいく出産を迎えるために、必ず確認しておきたいポイントをまとめました。


無痛分娩の病院を選ぶとき具体的なポイント

  1. そもそも…自分は無痛分娩の対象?
  2. 無痛分娩はいつできる?
  3. 予定外の陣痛に対応してくれる?
  4. 無痛分娩対応可能な時間内に分娩に至らなかった場合、どうなる?
  5. 分娩日はいつになる?
  6. 麻酔をはじめる時期は?
  7. 自然分娩希望だったが陣痛が痛すぎた場合、途中から無痛分娩に切り替えることはできる?
  8. 他にも…

 大きく分けて8つのポイントがあります。ひとつずつ説明していきます。


そもそも…①自分は無痛分娩の対象?

無痛分娩を希望しても、母体の状況によっては実施できない場合があります。

・合併症の有無
血小板減少、凝固異常、脊椎や穿刺部位の手術歴、心血管系の疾患、極度の肥満(BMI制限)などがある方は医学的な理由により無痛分娩ができない場合があります。

・病院独自の基準
「経産婦のみ」「初産婦は条件付き」など、病院によって受け入れ基準が異なるため、初期段階で確認が必要です。

ご自身が無痛分娩の対象となっているか、医療機関に確認しましょう。

無痛分娩は② いつできる?

医療機関の体制や規模により様々となります。ご希望の医療機関がどのような体制で無痛分娩に対応しているかホームページなどで確認しておきましょう。

  • 24時間365日
  • 日中のみ
  • 平日のみ
  • 無痛分娩に対応できる医師がいる日のみ

③ 予定外の陣痛に対応してくれる?

無痛分娩が可能な時間・曜日が限られている施設では、分娩誘発剤を使用した計画無痛分娩を行うことが多いですが、計画していた日より前に陣痛が来てしまったときどうなるのか、確認が必要です。
計画していた日以外でも、対応可能な医師がいれば無痛分娩ができるという施設もあれば、無痛分娩は1日〇人までと施設内で決まっているため、計画以外の日には無痛分娩ができないという施設もあります。

無痛分娩対応可能な時間内に④ 分娩に至らなかった場合、どうなる?

  • 埋めれるまで無痛の薬を使い続けることができる
  • 無痛対応時間外になるため、無痛の麻酔を修了し、途中から麻酔を使わない自然分娩となる
  • 帝王切開となる

など、医療機関の体制・規模により様々となります。受診された際に確認するようにしましょう。

⑤ 分娩日はいつになる?

計画無痛分娩と自然に陣痛が来るのを待つ(オンデマンド)があります。

・計画無痛分娩
計画無痛分娩とは、日にちを決めて分娩誘発剤を使用して陣痛を起こし、麻酔も使用する分娩方法です。確実に無痛分娩にしたい、痛みを感じたくない人におすすめです。しかし、計画無痛分娩でも、無痛の麻酔を使い始めるタイミングは施設により異なります。

・自然な陣痛が来るのを待つ(オンデマンド)
自然に陣痛がくるのを待つ場合(オンデマンド)は、陣痛が開始してから病院へ向かい麻酔を開始するため、多くの場合で陣痛の痛みを経験します。万が一、分娩の進行が急速だった場合には、無痛の麻酔が効く前に赤ちゃんが生まれることもあります。

無痛分娩の⑥ 麻酔をはじめる時期は?

  • ご本人の「無痛を始めたい」という希望に沿った開始
  • 子宮が〇cm開いてから
  • ビショップスコア(子宮頸管の分娩準備状態を点数化して指標)〇点以上
  • 痛みと分娩の状況両方を考慮して麻酔を開始

など、施設によって様々です。
24時間365日無痛分娩に対応している施設や、計画無痛分娩を選択した場合でも、無痛開始のタイミングについて施設内で基準がある場合、その基準に達するまでの間、陣痛に耐える必要があります。
「少しの痛みも耐えたくない」のか、「お産が進むまでは自然に任せたい」のか、自分の希望と病院の方針が一致しているか確認しましょう。
※麻酔の使用は良くも悪くも分娩進行に影響を及ぼします。基準がある施設が良い・希望どおりに麻酔を開始できる施設が良いなどと一概に言うことはできません。

自然分娩希望だったけど…陣痛が痛すぎた場合⑦ 途中から無痛分娩に切り替えることはできる?

下記のように様々なパターンがあります。

  • あらかじめ無痛分娩に関する施設内の学級を受けていればできる。
  • あらかじめ無痛分娩に関する施設内の学級を受けていて、追加料金を払えばできる。
  • 学級参加の必要はなく、追加料金を払えばできる。
  • 無条件にだれでもできる。
  • 自然分娩の途中から無痛分娩にすることはできない。

⑧ 他にも…

  • 無痛分娩に関する学級はある?
  • 無痛分娩に関する院内で統一されたマニュアルやガイドラインはある?
  • 麻酔科医師はいる?無痛分娩中にはどんな制限がある?

など、みておきたいポイントは細かくたくさんあります。
※上記の有無が良い施設かどうかには直結しません。



「無痛分娩を選んで本当にいいのかな?」「どの病院なら安心?」と悩むのは、あなたが赤ちゃんとの時間を何より大切に考えている証拠です。病院選びで迷ったら、ますは「もし夜中に陣痛が来たら?」「もしお産が長引いたら?」という『もしも』の不安を、一つひとつ質問にかえて病院にぶつけてみてください。

上記の各ポイントに関して、もっと詳しく聞きたい!
無痛分娩に関していくつか希望があるけれど、結局どの施設を選んだらいいかわからない!などございましたら、ぜひ相談にいらしてください。より希望が叶いそうな施設を一緒に考えましょう。分娩施設がすでに決定している方も、気になる点は妊婦健診の際などに確認し、無痛分娩に対するイメージをより明確にしておくことをおすすめします。

最終更新:2026/2/4



戸越銀座レディースクリニック診療案内

戸越銀座レディースクリニックでは婦人科診療・妊婦健診を含めた産科診療の他に婦人科検診も行っております。定期的な婦人科検診による早期発見・治療が可能です。
産婦人科の診察に怖いというイメージを持たれる方も多くいらっしゃると思います。初めての方でも、女性スタッフによる声かけ・痛みの配慮・軽減・環境づくりに努めますのでぜひお気軽にお越しください。診療は日本産科婦人科学会・産婦人科専門医が行います。産婦人科に関してお悩みのある方は、ぜひご相談ください。

この産婦人科コラムを書いた人

戸越銀座レディースクリニック 助産師佐藤 友里

経歴

  • 日本赤十字秋田看護大学大学院看護学研究科 卒業
  • 総合周産期医療センターMFICU勤務
  • 産婦人科専門病院・クリニック勤務

資格

  • 看護師
  • 助産師
  • 骨盤ケアリスト/マタニティケアリスト
  • トコちゃんベルト着用指導士
  • 妊産婦食アドバイザー

メッセージ

当院において、皆さまが快適に妊娠期を過ごしたり、安全でより理想に近い分娩を体験することができるよう、妊婦健診を通してサポートさせていただきたいと思っています。とくに、妊娠中の食事や栄養、分娩経過について、無痛分娩の話題は大好きです。ぜひ、お困りごとや気になることを聞きに来てください!
婦人科の皆さまも、当院が小さなことでも気軽に相談できる場所になれるよう、丁寧な診療サポートを心がけたいと思っています。

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