出生前検査について

　妊娠がわかると、喜びとともに、お腹の赤ちゃんは元気なのかな？無事に成長しているかな？病気はないかな？と心配になることと思います。出生前検査ってなに？受けた方がいいの？妊婦健診だけじゃダメなの？と言った疑問にお答えします。

出生前検査とは

出生前検査って何？

　赤ちゃんが産まれてくるときに何らかの病気（形態異常）をもっている可能性は2～3％と言われています。その原因は様々ですが、そのうち25％が染色体異常であることがわかっています。
　全ての病気を妊娠中から診断するのは難しいですが、心臓などの臓器の形に異常がないか、染色体異常がないかは、現代の検査技術でわかることがあります。
　全ての妊婦さんが受ける妊婦健診では、妊婦さんの健康状態や赤ちゃんが元気に発育しているかをみていきますので、出生前検査はすべての人に必要な検査ではなく、受けないことで妊娠・出産に困ることはありません。

出生前検査でわかること

　出生前検査で、赤ちゃんの全ての病気を生まれる前から特定することは残念ながらできません。出生前検査にも様々な方法があり、胎児精密超音波検査では赤ちゃんの発育や身体の構造的な病気がないかを確認していきますが、精度は限られてしまいます。
　一般的に出生前検査というと、染色体異常を検出する検査を指すことが多く、染色体異常の中でも約7割を占める21トリソミー（ダウン症）、18トリソミー、13トリソミーを確認するのが主となっています。

染色体異常の確定的検査・非確定的検査とは

　染色体異常を調べる検査の中でも、染色体そのものをみる確定的検査とDNAの断片やマーカーなどをみる非確定的検査に分けられます。以下にそれぞれの検査方法について説明していきます。

出生前検査の種類確定的検査

絨毛検査

　妊娠11週～14週頃に、お母さんのお腹に針を刺して、絨毛を採取し、染色体検査を行います。染色体そのものをみる検査のため、診断は確実ですが、侵襲があり流産のリスクが0.2%上昇すると言われています。日本国内で実施可能な施設は、羊水検査と比べると少ないです。

羊水検査

　妊娠15週～16週以降に、お母さんのお腹に針を刺して、羊水を採取し、染色体検査を行います。絨毛検査同様、染色体そのものをみる検査のため、診断は確実ですが、侵襲があり流産のリスクが0.1～0.3％上昇すると言われています。胎盤の位置によっては検査ができない施設もあります。

出生前検査の種類非確定的検査

NIPT

　妊娠9週～10週以降に、お母さんの血液検査を行います。21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの可能性を調べます。陽性の結果だった方が実際にトリソミーの診断となる確率は比較的高いですが、年齢などにより変動します。確定診断のためには絨毛検査か羊水検査を受ける必要があります。また、陰性の結果だった方が実際に陰性の確率は99.99％と言われています。お母さんの血液検査のみで判定するため侵襲性が低いのが特徴です。結果について、正確に説明を受け、フォローしていくためにも、必ず出生前検査認証制度等運営委員会が認定した施設で検査を行いましょう。

超音波マーカー・コンバインド検査

　妊娠11週～13週頃に、お母さんの血液検査と経腹超音波検査で赤ちゃんの形や血流を測る検査を行います。21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの可能性を調べます。陰性の結果だった方が実際に陰性である確率は99％以上と言われていますが、陽性の結果だった方が実際に診断にいたる確率は1～13％と低い検査になります。確定診断のためには羊水検査を受ける必要があります。

母体血清マーカー検査

　妊娠15週～18週頃に、お母さんの血液検査を行います。21トリソミー、18トリソミー、開放性神経管奇形の可能性を調べます。陰性の結果だった方が実際に陰性である確率は99％以上と言われていますが、陽性の結果だった方が実際に診断にいたる確率は1～9％と低い検査になります。確定診断のためには羊水検査を受ける必要があります。

まとめ

　出生前検査は、前もって赤ちゃんの病気が把握できることで、出産やその後の育児の準備が出来ると言ったメリットもあります。安心のために安易に受けるのではなく、結果についてご自身やご家族でどう考えるかまでご相談いただいた上でもし希望される場合には、確実にフォローが可能な出生前検査認証制度等運営委員会が認定した施設で遺伝カウンセリングおよび出生前検査を受けましょう。
　現在当院では出生前検査を行っていないため、当院にて妊婦健診中に医療機関での情報提供を希望される方には、セミオープンシステムにて連携している施設での遺伝カウンセリングおよび出生前検査の実施をご提示しています。

診療案内

　戸越銀座レディースクリニックでは婦人科診療・妊婦健診を含めた産科診療の他に婦人科検診も行っております。定期的な婦人科検診による早期発見・治療が可能です。
　産婦人科の診察に怖いというイメージを持たれる方も多くいらっしゃると思います。初めての方でも、女性スタッフによる声かけ・痛みの配慮・軽減・環境づくりに努めますのでぜひお気軽にお越しください。診療は日本産科婦人科学会・産婦人科専門医が行います。産婦人科に関してお悩みのある方は、ぜひご相談ください。

婦人科

婦人科

　戸越銀座レディースクリニックは女性の様々な世代において起こりうる身体の変化・お困りごとに対して寄り添い、快適に過ごせるよう最適な診療を提供いたします。

オンライン診療【準備中】

オンライン診療【準備中】

　各種婦人科検診・ワクチン接種・ピル処方のほか、女性の健康に関連する検査を組み合わせた婦人科ドックをご提供しています。

産科・妊婦健診

産科・妊婦健診

　当院には周産期施設にて勤務してきた女性医師・助産師が在籍しております。妊娠・出産前後に関するご相談をお受けします。妊娠を通して変化する心と身体に寄り添った診療を提供いたします。

婦人科検診・ドック

婦人科検診・ドック

　戸越銀座レディースクリニックでは定期検査・婦人科検診を含めた婦人科診療に力を入れています。女性の一生に寄り添えるクリニックを目指します。

自費診療

自費診療

　各種婦人科検診・ワクチン接種・ピル処方のほか、女性の健康に関連する検査を組み合わせた婦人科ドックをご提供しています。

この婦人科コラムを書いた人

戸越銀座レディースクリニック 副院長・産婦人科専門医春名　百合愛（はるな　ゆりあ）

経歴

• 日本医科大学医学部卒業
• 同大学女性診療科・産科入局後、大学病院・周産期センターにて勤務
• 日本産科婦人科学会　産婦人科専門医・指導医
• 日本周産期・新生児医学会　母体・胎児専門医

学会・資格

• 日本周産期・新生児医学会　会員
• 新生児蘇生法専門コース修了
• 日本女性医学会　会員
• 日本生殖医学会　会員

メッセージ

　私は医学部時代に自身が産まれた周産期センターで臨床実習をした際に、生命の誕生の奥深さに感動し、産婦人科医を志しました。大学病院入局後は、産婦人科学全般を学んで専門医を取得し、希望であった周産期分野に従事してまいりました。女性にとって妊娠・出産は大きなライフイベントであり、喜びとともに不安も尽きないと思います。その前後も含めたすべてのライフステージにおける女性が自分らしく健やかに生きるサポートをいたします。産婦人科というとなかなか受診のハードルが高いと感じる方もいらっしゃると思いますが、安心してご相談いただけるよう丁寧な診療を心がけますので、ぜひお気軽にお越しいただけましたら幸いです。

戸越銀座レディースクリニックについて

　品川区戸越・戸越銀座商店街にある戸越銀座レディースクリニックは、産科・婦人科の診療・検診を行っているクリニックです。
クリニックは戸越駅徒歩1分・戸越銀座駅徒歩4分の立地にあります。エレベーターが完備されており、お買い物・お出かけのついでにお越しいただけます。プライバシーにも配慮しながら受付から診察まで女性スタッフ・女性医師が対応、診療を通して患者様が気兼ねなく、快適に過ごせるよう努めてまいります。

〒142-0041
東京都品川区戸越3-1-2 イマーレビル B1F
・アクセス
　都営浅草線　戸越駅　徒歩1分
　東急池上線　戸越銀座駅　徒歩4分

時間/曜日	月	火	水	木	金	土	日
9:15-13:00	⚪︎	⚪︎	⚪︎	⚪︎	⚪︎	★	★
14:00-17:30	⚪︎	⚪︎	⚪︎	⚪︎	⚪︎	×	×
17:30-19:00	×	⚪︎	×	⚪︎	×	×	×

★　土・日曜日は8:30-11:30
（受付終了は診療終了時間の30分前）
※日曜日は月2回不定期での診療
※祝祭日は休診となります。