デリケートゾーンのトラブルは誰にも相談しにくく、つい我慢しがちです。しかし、おりものの変化やかゆみは、身体からの大切なサインかもしれません。
おりものの異常や外陰部のかゆみは、様々な要因により引き起こされます。当院では、患者様のプライバシーに配慮し、安心してご相談いただけるよう心がけています。気になる症状がある場合はお気軽に受診してください。
おりものが気になる かゆみ受診の流れと検査について
初めて婦人科を受診される方もご安心ください。具体的な流れと検査についてご説明します。

おりものが気になる かゆみ①丁寧な診察と問診
- 症状の聞き取り
- 内診(必要な場合)
- 検査(必要な場合)
- 膣錠の挿入(必要な場合)
おりものの量、におい、色、かゆみの有無や発生時期など、症状について詳しくお伺いします。膣内や会陰部の状態の診察が必要な場合は内診をします。検査をする場合は、おりものを少量採取し検査を行います。採取は綿棒のような器具で行うため痛みはありません。

専門機関での検査
- 検査所要期間:約1週間
専門の機関で検査を行うため、検査に1週間ほど所要します。検査を行った方には、検査後1週間以降での結果説明の来院をお願いしています。

産婦人科専門医検査結果と治療
- 検査結果説明
- 膣錠の挿入(必要な場合)
- 処方
検査結果が出たら再度ご来院いただき、結果に基づいた適した膣錠の挿入や治療(内服薬の変更など)をご案内します。性感染症の場合は、パートナーの治療も必要となります。(パートナーは泌尿器科受診を)
代表的な疾患
膣カンジダ症
症状・特徴
- 酒粕(カッテージチーズ)錠の白っぽいおりもの
- 強いかゆみ
- 外陰部のヒリヒリ感や赤み
カビの一種で、かゆみの原因で最も多いです。抗真菌薬にて治療を行います。主に、膣錠や外用薬を使用します。風邪をひいた時や疲れている時など、免疫力が低下している時などに発症または再発しやすい疾患です。
細菌性膣症
症状・特徴
- 灰色がかった白いおりもの
- 生臭いようなにおい
- かゆみは少ないこともある
膣の洗いすぎや免疫力の低下、ホルモンバランスの変動により、膣内の細菌のバランスが崩れて起こります。
接触性皮膚炎
症状・特徴
- 外陰部のかゆみ
- 外陰部の赤み・湿疹
- おりもの事態は正常なことが多い
いわゆるかぶれです。下着の素材やナプキン、石鹸などによる刺激で起こります。原因物質を特定し、接触を避けることが重要です。
萎縮性膣炎
症状・特徴
- 膣の乾燥、かゆみ
- おりものの増加
- 性交時痛
- 排尿時の違和感
閉経や卵巣摘出などにより女性ホルモン(エストロゲン)が減少することで、膣の粘膜が薄く乾燥し、炎症が起きやすくなるために起こります。
産婦人科医おすすめのセルフケア

帝人ココラクト
- デリケートゾーンに不快感や不調を感じている方におすすめ
- 腸内環境の改善(便通改善、肌荒れ対策、おりもの正常化)
- 免疫機能のサポート
脳機能サポートや腸内フローラ改善に着目されているビフィズス菌「B.breve MCC1274」配合。膣内の善玉菌を増やし、膣の自浄作用を高めることを目指します。膣カンジダ症や細菌性膣炎を繰り返す方におすすめです。

持田製薬フルフル石鹸
- デリケートゾーンのにおい・ムレ・かゆみ
コラージュフルフル泡石鹸は真菌&細菌をW抗菌。
膣カンジダ症などの真菌の増殖を抑えるのに役立ちます。ムレでバリア機能が低下したデリケートゾーンをそのままやさしく洗うだけの簡単ケアでOK。膣の中までは洗わないようにしましょう。洗いすぎは逆効果です。

一般社団法人 日本家族計画協会リューブゼリー
- 性交時に痛みがあるかたにおすすめ
加齢や更年期に伴い、女性ホルモンの分泌が減少し、デリケートゾーンのうるおい不足に悩まされることがあります。
他にも、出産後や授乳期、不規則な生活、ストレス、無理なダイエットなどでホルモンバランスが乱れ、一時的にうるおいが減少することもあります。
リューブゼリーは年齢に関係なく使用できます。
まとめ
おりものの異常やデリケートゾーンのかゆみは、適切な治療とセルフケアで改善できます。「このくらいで受診していいのかな」と迷わず、ご自身の身体のために一歩踏み出してみてください。早期に原因を特定し、適切な治療を始めることが、早く症状を改善させる近道です。

