妊娠したかもと思ったら

妊娠したかもと思ったら

 生理が1週間以上遅れ、市販の妊娠検査薬で陽性になったら、産婦人科を受診して妊娠の確認をしましょう。当院では、近隣の分娩を取り扱う施設と連携しながら、妊娠30〜34週頃までの妊婦健診を行うセミオープンシステムを導入しております。分娩施設のご相談なども可能です。

妊娠かも?
妊娠がわかったときはどうするの?

妊娠検査薬の使用や産婦人科受診の目安は?

 月経周期が28日間の方であれば、次の生理予定日頃、すなわち妊娠4週頃から市販の妊娠検査薬が陽性となります。生理の周期や排卵日は人によって違うため、生理が1週間以上遅れている場合には、妊娠検査薬で妊娠反応を確認しましょう。
妊娠5週頃から赤ちゃんの袋(胎嚢)が確認できるので、妊娠検査薬が陽性の場合には産婦人科を受診しましょう。妊娠初期には流産や異所性妊娠のリスクもあるため、子宮内に胎嚢が見えるか、赤ちゃんの大きさや心拍数を確認する必要があります。また、妊娠検査薬が陰性の場合にも時期が早すぎたり、お小水の量が不十分だったりする場合があるので、生理がこない場合には、1週間空けてもう一度検査をしてみましょう。


分娩予定日、出産予定日の決め方って?

 妊娠前の最後の生理が始まった日を妊娠0週0日として、40週0日を分娩予定日(出産予定日)とします。ただし、月経周期が28日型、2週0日が排卵日として推測した上で計算するため、日頃の生理周期が定まらない場合は、赤ちゃんの発育を超音波検査で確認して予定日を修正することもあります。妊娠週数を推定するための経腟超音波での胎児計測にはいくつか基準がありますが、妊娠8週から10週前後の赤ちゃんの大きさ(頭殿長)がもっとも信頼性が高いため、その頃の受診が大切になります。また、基礎体温表をつけていたり、排卵日や性交渉のタイミングが明確な場合には、受診の際に伝えましょう。分娩予定日の決定は、その後の赤ちゃんの発育をみていく上での基準となりますためとても重要になります。

母子手帳をもらうには?

 赤ちゃんの心拍の確認、分娩予定日の決定をしたら、母子健康手帳(母子手帳・親子健康手帳)をもらいましょう。母子健康手帳はお住まいの市区町村役所や保健センターで妊娠届を出すと受け取れます。妊娠週数や出産予定日、受診した病院の情報などが必要になるため確認しておきましょう。母子手帳を受け取る際に、妊娠健康診査受診票、超音波検査受診票、妊婦子宮頸がん検診受診票などのクーポン券がもらえます。毎回の妊婦健診時に使用しますので、母子健康手帳と共に保管しておきましょう。また、各自治体や医療機関などで、母親学級・両親学級、マタニティクラスといった、妊娠や分娩、産後の育児について学ぶ場があるので、特に初めての妊娠、出産の場合には利用することをおすすめします。

妊婦健診って何をするの?

妊娠初期 妊娠13週まで

 赤ちゃんの心拍確認、分娩予定日の決まり、母子手帳を受け取ったら、妊婦定期健康診査(妊婦健診)が始まります。妊婦健診では毎回尿検査(尿蛋白、尿糖、尿ケトン)と血圧・体重の測定を行い、母子手帳に記録します。妊娠初期には子宮がん検診や採血による貧血や感染症のチェックなどがあります。赤ちゃんの発育の確認のため、経腟超音波検査も行います。この時期は4週間おきの健診となりますが、性器出血や腹痛などがある場合には必ず相談しましょう。吐き気、嘔吐などのつわり症状や、立ちくらみや頭痛なども自覚しやすくなります。医療機関から職場へ、母性健康管理指導事項連絡カード(母健連絡カード)で通勤緩和や休憩などの措置を申し出ることもできるため、無理をせず過ごすようにしましょう。


妊娠中期 妊娠14週〜27週

 妊娠中期にもクラミジアやHTLV1などの感染症の検査を行います。また、妊娠高血圧症候群による血圧上昇・尿蛋白陽性や、妊娠糖尿病による血糖値の上昇がみられることもあるため、注意してみていきます。経腹超音波検査で赤ちゃんの臓器もみやすくなってくるため、20週前後に形態異常がないかどうかの胎児スクリーニング検査も行います。子宮頸管長の短縮による切迫早産の徴候や前置胎盤などの胎盤の位置異常がないかも経腟超音波検査で確認していきます。胎動を自覚する妊婦さんも増えてくる時期で、妊娠24週頃を過ぎると妊婦健診も2週間おきとなり、赤ちゃんの成長を実感できるようになってきます。お腹の張りといった子宮収縮を自覚する人もいるため、安静にしてもおさまらない場合は、受診相談をしましょう。

妊娠後期 妊娠28週以降

 引き続き経腹超音波で赤ちゃんの発育や羊水量をみていきます。赤ちゃんが逆子だったり、前置胎盤などの胎盤の位置異常などがある場合は、帝王切開の予定なども立てていきます。妊娠後期にも貧血の確認、おりものの検査などがあります。また、37週〜41週が正期産となり、36週以降は1週間おきの妊婦健診になります。赤ちゃんも十分に育ってきていつ産まれてもいい状態となり、内診で子宮の入り口の開き具合を確認したり、NST(ノンストレステスト)でお母さんの子宮収縮の状態や赤ちゃんの心拍数をみていきます。当院は30週〜34週頃までのセミオープンシステムを導入しているため、この時期に分娩予定の施設へ紹介となります。里帰り出産予定の方も同様ですので、出産や産後の準備なども進めていきましょう。

妊娠したら気をつけたいことは?

たばこやお酒はやめましょう

 妊娠中の喫煙および受動喫煙は流産や早産、常位胎盤早期剥離や妊娠高血圧症候群などの重大な母体合併症のリスクを上昇させます。お腹の中の赤ちゃんにとっても、口唇裂および口蓋裂、先天性心疾患、手足の欠損などの形態異常発生頻度を上昇させると報告されています。産後も小児の受動喫煙は乳児期での死亡、乳児突然死症候群、呼吸器感染症、発達障害や肥満などの増加に影響します。妊娠がわかったら、パートナーとともに禁煙をしましょう。また、妊娠中の飲酒についても、胎児の形態異常や脳萎縮、胎児発育不全が増加することが明らかになっており、妊娠高血圧症候群などのリスクも上昇させるため、妊娠がわかったら禁酒をしましょう。
授乳中も、血中アルコールは母乳へ移行します。蓄積されるものではなく、乳汁中アルコール濃度は飲酒後2時間をピークに低下するため、授乳までに十分時間を空けることが推奨されています。


持病がある方は主治医に相談しましょう

 持病があって通院していたり、お薬を内服している場合はかかりつけ医に妊娠を報告しましょう。妊娠中は時期によって使えない薬もあるため、薬の変更や量の調整が必要になることがあります。自己判断で内服をやめてしまうと、持病が悪化したり、妊娠へ影響することもあるため、必ず主治医に相談し、産婦人科医と連携していくことが大切です。
また、お腹や背中の手術歴や心臓や脊椎の疾患がある場合には、分娩施設や分娩方法が限られることもあるため、早めに相談しましょう。予防接種歴や薬や食べ物などのアレルギー歴も確認しておくと良いでしょう。妊娠中は内分泌環境の変化、唾液の分泌低下などにより口腔環境の変化が課題であり、口腔ケアが推奨されています。妊娠中や授乳中の歯科治療は安全なため、妊娠・授乳を理由に制限する必要はありません。

食事で気を付けたいことは?

 妊娠中は、カフェインの摂取量に気をつけましょう。国内では現時点で正式な摂取量の上限は定められておらず、少量であれば赤ちゃんへの健康リスクは生じないとされますが、海外では食品に含まれるカフェインの摂取目安量を定めている国や機関があり、妊娠中は1日200mg以下,(コーヒー1〜2杯程度)が望ましいとされます。また、生肉の摂取はトキソプラズマ感染のリスクがあるため、十分に加熱したものを食べましょう。野菜や果物もよく洗うか皮をむいて食べることをおすすめします。抗体検査などで感染の有無について検査することができるので、心配な場合には産婦人科で相談しましょう。マグロなどの大型の魚には微量の水銀が含まれているため、偏って多量に食べることは避けると良いでしょう。

妊娠したかもと思ったらまとめ

 妊娠したかもと思ったら、市販の妊娠検査薬を行い、産婦人科を受診しましょう。当院でも、妊娠の確認からセミオープンシステムでの妊婦健診を行なっております。ご不安な点がありましたら、是非ご相談ください。

診療案内

 戸越銀座レディースクリニックでは婦人科診療・妊婦健診を含めた産科診療の他に婦人科検診も行っております。定期的な婦人科検診による早期発見・治療が可能です。
 産婦人科の診察に怖いというイメージを持たれる方も多くいらっしゃると思います。初めての方でも、女性スタッフによる声かけ・痛みの配慮・軽減・環境づくりに努めますのでぜひお気軽にお越しください。診療は日本産科婦人科学会・産婦人科専門医が行います。産婦人科に関してお悩みのある方は、ぜひご相談ください。

婦人科

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 戸越銀座レディースクリニックは女性の様々な世代において起こりうる身体の変化・お困りごとに対して寄り添い、快適に過ごせるよう最適な診療を提供いたします。
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その他 Others

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 各種婦人科検診・ワクチン接種・ピル処方のほか、女性の健康に関連する検査を組み合わせた婦人科ドックをご提供しています。
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産科・妊婦健診

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 当院には周産期施設にて勤務してきた女性医師・助産師が在籍しております。妊娠・出産前後に関するご相談をお受けします。妊娠を通して変化する心と身体に寄り添った診療を提供いたします。
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婦人科検診・ドック

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 戸越銀座レディースクリニックでは定期検査・婦人科検診を含めた婦人科診療に力を入れています。女性の一生に寄り添えるクリニックを目指します。
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自費診療

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 各種婦人科検診・ワクチン接種・ピル処方のほか、女性の健康に関連する検査を組み合わせた婦人科ドックをご提供しています。
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この婦人科コラムを書いた人

戸越銀座レディースクリニック 副院長・産婦人科専門医春名 百合愛(はるな ゆりあ)

経歴

  • 日本医科大学医学部卒業
  • 同大学女性診療科・産科入局後、大学病院・周産期センターにて勤務
  • 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医

学会・資格

  • 日本周産期・新生児医学会 会員
  • 新生児蘇生法専門コース修了
  • 日本女性医学会 会員
  • 日本生殖医学会 会員

メッセージ

 私は医学部時代に自身が産まれた周産期センターで臨床実習をした際に、生命の誕生の奥深さに感動し、産婦人科医を志しました。大学病院入局後は、産婦人科学全般を学んで専門医を取得し、希望であった周産期分野に従事してまいりました。女性にとって妊娠・出産は大きなライフイベントであり、喜びとともに不安も尽きないと思います。その前後も含めたすべてのライフステージにおける女性が自分らしく健やかに生きるサポートをいたします。産婦人科というとなかなか受診のハードルが高いと感じる方もいらっしゃると思いますが、安心してご相談いただけるよう丁寧な診療を心がけますので、ぜひお気軽にお越しいただけましたら幸いです。

戸越銀座レディースクリニックについて

 品川区戸越・戸越銀座商店街にある戸越銀座レディースクリニックは、産科・婦人科の診療・検診を行っているクリニックです。
クリニックは戸越駅徒歩1分・戸越銀座駅徒歩4分の立地にあります。エレベーターが完備されており、お買い物・お出かけのついでにお越しいただけます。プライバシーにも配慮しながら受付から診察まで女性スタッフ・女性医師が対応、診療を通して患者様が気兼ねなく、快適に過ごせるよう努めてまいります。

〒142-0041
東京都品川区戸越3-1-2 イマーレビル B1F
・アクセス
 都営浅草線 戸越駅 徒歩1分
 東急池上線 戸越銀座駅 徒歩4分

時間/曜日
9:15-13:00⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎
14:00-17:30⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎××
17:30-19:00×⚪︎×⚪︎×××

★ 土・日曜日は8:30-11:30
(受付終了は診療終了時間の30分前)
※日曜日は月2回不定期での診療
※祝祭日は休診となります。

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