子宮頸がん予防ワクチンのキャッチアップ接種も再開となり子宮頸がんの話題に触れる機会が増えてきたと思います。子宮頸がんは病状が進行するまで無症状で経過することも多いがんとなります。そのため定期的な検診が重要視されています。今回は、子宮頸がん検診の結果で異常が出た場合にどのようなことを考えるのか、どのような検査を行うべきなのかについて説明していきます。
子宮頸がん細胞診検査とは
まずは病気について子宮頸がんについて
子宮頸がんは、女性の生殖器官である子宮の入口部分である頸部(子宮口)と呼ばれるところ発生するがんのことです。子宮頸がんは、他のがんに比べて若い女性に多く見られるという特徴があります。また子宮頸がんの原因の9割以上がヒトパピローマウイルス感染と言われています。そのためより予防が重要とされ、子宮頸がんワクチンが注目されるようになりました。
そもそも子宮頸がん細胞診検査方法
子宮頸がん検査は内診台を使用して、クスコ(腟鏡)という器具を膣内用いることにより子宮の入り口より採取します。細胞診では、専用のブラシやヘラで子宮頸部から細胞をこすり取りますが痛みは強くはありません。ただし検査後にはこすった影響から出血をすることがあります。なお、性交渉未経験の方に関してはHPV感染のリスクが低く、検診を受けるメリットが少なくなるため、相談の上検査をしない場合があります。月経中は多量の血液成分が混ざり検査の精度が落ちてしまいますので、なるべく避けることが望ましいでしょう。
日本では子宮頸がん細胞診検査を受診する頻度
日本では20歳以上の女性に対して居住する自治体より2年に1回の頻度で子宮頸がん検査のクーポン券が郵送されます。クーポンを使用することにより無料もしくは助成を受けた額で受診することができます。1年に1回、少なくとも2年1回は子宮頸がん検査を受けるようにしましょう。
子宮頸がん細胞診検査結果の見方
細胞診で採取した細胞は、細胞診専門医が顕微鏡で調べて結果を報告します。結果表にはNILM,、ASC-US、ASC-H、LSIL、HSIL、SCCなどの英語表記が記載されます。NILMは異常なし、それ以外の結果と判定された場合には、産婦人科での精密検査が必要となります。
子宮頸がん細胞診検査が異常であった場合の検査について
子宮頸がん細胞診検査の結果でASC-H、LSIL、HSIL、SCCやAISなどNILMという表記とは異なる判定がされた場合は精密検査が必要となります。
・コルポスコピー検査
内診台の上で、拡大鏡を用いて子宮の入り口を詳しく観察する検査となります。
・子宮頸部生検(組織診)
コルポスコピーを用いて子宮の入り口(子宮頸部)観察した後に、異常と推測される部位から小さな肉片(サンプル)を取る検査となります。生検でとれた組織はさらなる顕微鏡の詳しい検査となる病理検査(組織診)を行います。生検は少しの痛みや不快感を伴うことがありますが通常は短時間で検査を終えることができます。
コルポスコピー生検を行った日から数日出血することがございます。検査当日は再出血の危険性があるためシャワーのみ、アルコールや激しい運動は控えていただくことがあります。スケジュールには余裕をもって検査を受けましょう。
ASC-USなら?HPV(ヒトパピローマウィルス)検査
子宮頸がん細胞診検査の結果がASC-USの表記であった場合は、まずはヒトパピローマウイルス(HPV)の有無を確認します。HPV陽性であり子宮頸がんのリスクがあると判断された場合にはコルポスコピー生検を使用した精密検査が必要となります。HPVが陰性であった場合は経過観察することができます。
精密検査であるコルポスコピー検査とはなにか?
子宮頸がん細胞診検査にて異常があった場合、どの程度の異常が実際あるのかを調べる生検(組織診)が必要となります。組織診するためにコルポスコピーは使用されます。コルポスコピーは顕微鏡の一種であり、子宮の入り口(子宮頸部)を拡大して観察する検査機器です。コルポスコピーを用いて拡大観察し、異常と思われる箇所に対して1㎜程度の組織をおおよそ4か所から採取することにより病変の深さと種類の診断をつけることができます。
検査の結果は正常、軽度異形成、中等度異形成、高度異形成、子宮頸がん以上のいずれかで診断されます。異形成とは前がん病変を表し高度以上では治療が必要となります。軽度もしくは中等度異形成では数か月毎の検査を用いて経過観察します。
不正性器出血まとめ
子宮頸がん細胞診検査で異常の判定がされた場合、診断をするためにコルポスコピー生検(組織診)が精密検査として必要になります。精密検査の指示を受けたかたは当院でもコルポスコピー生検(組織診)検査を行うことがあります。ご受診の際には生理用ナプキンをご持参ください。また精密検査後は出血することがありますので、検査後のスケジュールにご注意ください。
戸越銀座レディースクリニック診療案内
戸越銀座レディースクリニックでは婦人科診療・妊婦健診を含めた産科診療の他に婦人科検診も行っております。定期的な婦人科検診による早期発見・治療が可能です。
産婦人科の診察に怖いというイメージを持たれる方も多くいらっしゃると思います。初めての方でも、女性スタッフによる声かけ・痛みの配慮・軽減・環境づくりに努めますのでぜひお気軽にお越しください。診療は日本産科婦人科学会・産婦人科専門医が行います。産婦人科に関してお悩みのある方は、ぜひご相談ください。
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この婦人科コラムを書いた人
戸越銀座レディースクリニック 院長・産婦人科専門医里井 映利(さとい えり)
経歴
- 日本医科大学医学部卒業
- 日本医科大学付属病院 初期研修
- 周産期センター・総合病院 産婦人科 後期研修
- 総合病院 厚生中央病院 産婦人科 産婦人科常勤医師
- 複数企業にて嘱託産業医
学会・資格
- 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・指導医
- 日本女性医学会 女性ヘルスケア専門医・女性のヘルスケアアドバイザー
- 日本思春期学会 認定性教育講師
- 日本生殖医学会会員
- 日本周産期・新生児医学会 会員
- 日本女性心身医学会 会員
- 日本医師会認定産業医
メッセージ
私は主に目黒にある総合病院の産婦人科にて専門分野である女性医学を中心に周産期・婦人科腫瘍と幅広く学び、多くの患者様に接してきました。また私自身も、年齢の変化と共に起きる女性ならではの体の変化・症状に悩んできました。今まで培ってきたものを糧に思春期から更年期以降まで、患者様一人一人に適切な診療を提供できるかかりつけ医を目指していきたいと思います。女性のライフステージの変化に伴う些細なお悩みや変化に寄り添って、より快適な暮らしができるようお手伝いをいたします。地域の皆様にとって気兼ねなく相談できるようなクリニックづくりを目指してまいります。お気軽にご相談ください。どうぞよろしくお願い申し上げます。
戸越銀座レディースクリニックについて
品川区戸越・戸越銀座商店街にある戸越銀座レディースクリニックは、産科・婦人科の診療・検診を行っているクリニックです。
クリニックは戸越駅徒歩1分・戸越銀座駅徒歩4分の立地にあります。エレベーターが完備されており、お買い物・お出かけのついでにお越しいただけます。プライバシーにも配慮しながら受付から診察まで女性スタッフ・女性医師が対応、診療を通して患者様が気兼ねなく、快適に過ごせるよう努めてまいります。
〒142-0041
東京都品川区戸越3丁目1−2 地下1階
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17:30-19:00 | × | ⚪︎ | × | ⚪︎ | × | × | × |
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