生理について

生理について

 生理はまだまだ周りの方には話しづらい、相談しづらいテーマの一つだと思います。生理にまつわる悩み・不安・わからないことを少しでもこの記事で知ってもらえたらと思います。女性特有のホルモンから作り出されるわたしたちの身体の変化や生理周期はそもそもどのような仕組みで成り立つのか、主に生理に関して焦点を当てて今回は説明していきます。

そもそも生理を作り出している女性ホルモンとは

生理の成り立ちにも関係する2つの女性ホルモンエストロゲンとプロゲステロン

 女性の身体は卵巣から分泌される2つのホルモンによるコントロールを受けています。1つがエストロゲン(卵胞ホルモン)、2つ目が黄体ホルモン(プロゲステロン)です。
 思春期になりより女性らしい身体に変化させるのはエストロゲンとなります。エストロゲンは更年期以降に減少し、更年期症状が現れる原因となります。
 プロゲステロンは排卵後から増え、体温を上昇させます。そのため排卵の有無を調べることができます。妊娠しやすい環境を整えてくれる働きがある一方で、生理前の身体の変化・不調にも影響します。


生理を作り出している仕組み生理周期とホルモン変化の関係

 生理周期(生理経1日目から次の生理が来る前日まで)と女性ホルモンの変化は密接に関連しています。わたしたちの生理周期はおおむね1か月毎、28日周期となっておりエストロゲンとプロゲステロンそれぞれ強く影響する前半と後半に分けることができます。

  • 生理終了〜14日目頃の前半=卵胞期でありエストロゲンによる影響を多く受けます。卵巣の中にある卵子が成長し始めると同時にエストロゲンの分泌も増えていきます。子宮内膜は厚くなります。
  • 生理から14日目頃=排卵期ではエストロゲンの量がピークに達し、卵巣で成熟した卵子が卵巣の外に放出され排卵が起こります。
  • 排卵後から生理28日目頃の後半=黄体期では卵巣で破裂した卵胞の残りが黄体へと変化します。黄体からプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌され子宮内膜はさらに厚くなり、体温は高い時期となります。この時期に妊娠が成立しなかった場合は黄体が徐々に退縮し、エストロゲンもプロゲステロンも低下していきます。2種類の女性ホルモン量が急激に低下することにより厚くなった子宮内膜が剥がれ落ち、出血として現れ次の生理に至ります。

妊娠を希望する方生理周期と基礎体温の関係

 女性が朝目が覚めたときに起き上がらず、寝たままの状態で舌の下に婦人体温計を入れて5分間はかった温度を、基礎体温といいます。そして女性ホルモンによって作り出される生理周期に沿って1か月の中で女性の身体に低温期と高温期を作り出しています。生理がはじまると体温が低くなり、排卵直後から次の月経までは体温が高くなります。そのため基礎体温で低温期と高温期の二相性を確認することによって排卵があったことを推定できます。また、基礎体温は妊娠が成立しているかどうかの可能性を判断する手段としても使用されることがあります。排卵後、基礎体温が上昇し続ける場合は、妊娠している可能性が高くなります。このように基礎体温を毎朝測定して変動を観察することにより女性は自身の生理周期・排卵の状態をある程度把握することができます。

さまざまな生理の異常

生理が短い、長いなど生理の出血日数の異常

 生理の出血期間は通常3日から7日程度(平均4.6日)ですが、さまざまな要因により出血期間が短くなったり長くなることがあります。

  • 過短月経:生理の出血が2日間以下である場合は、原因としてはホルモンのバランスの変化や減少による子宮内膜の薄さが挙げられます。ホルモンバランスが変化する要因としてストレス、体重の変動などが考えられます。
  • 過長月経:生理の出血が8日間以上続く場合は原因としては女性ホルモンのバランス変化もしくは子宮の病気が考えられます。女性ホルモンの変化に関与する器官(視床下部、脳下垂体、卵巣など)における仕組みがさまざまな原因によりうまく働かない場合があります。無排卵周期やプロゲステロン(黄体ホルモン)分泌が低下する黄体機能不全が挙げられます。また子宮において子宮ポリープや子宮体癌、子宮筋腫も要因となります。

生理が多い、少ない生理量の異常

 生理量は1〜2日目に比較的多くその後、徐々に減少し、最後の日や数日目には少量の出血や となることがほとんどです。生理量が多い場合には貧血の原因となるため注意が必要となります。日本産科婦人科学会では、正常な生理量の基準を20〜140mlとしています。ただし量ることは難しいためおおよその目安としては以下のようなものがあります。
  ・昼間でも夜用ナプキンを使用している。
  ・ナプキンをつけていても漏れてしますことがある。
  ・昼用ナプキンを使用していてもすぐにいっぱいとなり1〜2時間での交換が必要である。
  ・レバー状の血の塊として出てくる。

 生理量が増える原因で頻度が高いものには以下のものがあります。過多月経が疑われる場合は産婦人科で検査を受けるようにしましょう。
  1.子宮筋腫
  2.子宮内膜症・子宮腺筋症
  3.子宮内膜ポリープの存在
  4.黄体機能不全・無排卵性周期症

 生理の量が極端に少ない場合、以下のような原因が考えられます。
  1.卵巣機能低下
  2.排卵障害
 ホルモンバランスが乱れやすく生理の量が不安定になりやすい初潮を迎えたばかりや、閉経に近い年齢である場合はすぐに病院を受診する必要はありません。それ以外の年齢では今までよりも極端に量が減っている場合やお腹の痛みを伴う場合は産婦人科での受診を検討しましょう。

生理が来ないなど生理周期の異常

 生理周期は28日から35日程度とされておりますが個人差があります。ただし以下に当てはまる場合は病気がある場合があります。

  • 原発性無月経:女性は通常、10歳から16歳の間に初めて月経が始まりますが、原発性無月経では通常の月経の開始年齢を過ぎても月経が始まらないことを言い、「満 18 歳を迎えても初経の起こらないもの」と定義されています。医学的にホルモンや画像の検査が必要となります。
  • 続発性無月経:もともと生理のあった方が3ヶ月以上生理が来ない状態を指します。まずは妊娠の可能性が挙げられますが、妊娠以外の要因として最も多いのが環境に対するストレスとなります。また過度のスポーツやダイエットによる体重減少も原因として多く見られます。その他原因となる病気には甲状腺機能亢進症や乳汁漏出や不妊症を伴う高プロラクチン血症、ホルモンバランスの異常を伴う多囊胞性卵巣症候群があります。
  • 頻発月経:生理が21日以内にもう一度来てしますことを指します。不正性器出血と判別がつかないこともあります。不正性器出血と同様にホルモンバランスの変化や子宮にできたポリープ・子宮筋腫が原因となることがあります。
  • 稀発(きはつ)月経:周期が39日以上3カ月以内に起こる生理と定義されています。続発性無月経と同様の原因にて起こります。基礎体温では低温相のみの1相性となり排卵が行なっていない無排卵の状態のことがあります。器質的な原因がない場合は妊娠を希望するかどうかによって治療方針が異なります。

まとめ

 今回はそもそも生理とはどのような仕組みで成り立つのか、どのような場合に異常と考えるかについて説明しました。当院でも生理に関する悩みを承っています。他人とはなかなか相談しづらいテーマだからこそ、悩んだ場合には産婦人科にて相談してみましょう。当院でも生理に関する悩みを承っています。

戸越銀座レディースクリニック診療案内

 戸越銀座レディースクリニックでは婦人科診療・妊婦健診を含めた産科診療の他に婦人科検診も行っております。定期的な婦人科検診による早期発見・治療が可能です。
 産婦人科の診察に怖いというイメージを持たれる方も多くいらっしゃると思います。初めての方でも、女性スタッフによる声かけ・痛みの配慮・軽減・環境づくりに努めますのでぜひお気軽にお越しください。診療は日本産科婦人科学会・産婦人科専門医が行います。産婦人科に関してお悩みのある方は、ぜひご相談ください。

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 各種婦人科検診・ワクチン接種・ピル処方のほか、女性の健康に関連する検査を組み合わせた婦人科ドックをご提供しています。
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婦人科

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この婦人科コラムを書いた人

戸越銀座レディースクリニック 院長・産婦人科専門医里井 映利(さとい えり)

経歴

  • 日本医科大学医学部卒業
  • 日本医科大学付属病院 初期研修
  • 周産期センター・総合病院 産婦人科 後期研修
  • 総合病院 厚生中央病院 産婦人科 産婦人科常勤医師
  • 複数企業にて嘱託産業医

学会・資格

  • 日本産科婦人科学会 産婦人科専門医・指導医
  • 日本女性医学会 女性ヘルスケア専門医・女性のヘルスケアアドバイザー
  • 日本思春期学会 認定性教育講師
  • 日本生殖医学会会員
  • 日本周産期・新生児医学会 会員
  • 日本女性心身医学会 会員
  • 日本医師会認定産業医

メッセージ

私は主に目黒にある総合病院の産婦人科にて専門分野である女性医学を中心に周産期・婦人科腫瘍と幅広く学び、多くの患者様に接してきました。また私自身も、年齢の変化と共に起きる女性ならではの体の変化・症状に悩んできました。今まで培ってきたものを糧に思春期から更年期以降まで、患者様一人一人に適切な診療を提供できるかかりつけ医を目指していきたいと思います。女性のライフステージの変化に伴う些細なお悩みや変化に寄り添って、より快適な暮らしができるようお手伝いをいたします。地域の皆様にとって気兼ねなく相談できるようなクリニックづくりを目指してまいります。お気軽にご相談ください。どうぞよろしくお願い申し上げます。

戸越銀座レディースクリニックについて

 品川区戸越・戸越銀座商店街にある戸越銀座レディースクリニックは、産科・婦人科の診療・検診を行っているクリニックです。
クリニックは戸越駅徒歩1分・戸越銀座駅徒歩4分の立地にあります。エレベーターが完備されており、お買い物・お出かけのついでにお越しいただけます。プライバシーにも配慮しながら受付から診察まで女性スタッフ・女性医師が対応、診療を通して患者様が気兼ねなく、快適に過ごせるよう努めてまいります。

〒142-0041
東京都品川区戸越3丁目1−2 地下1階
・アクセス
 都営浅草線 戸越駅徒歩1分
 東急池上線 戸越銀座駅徒歩4分

時間/曜日
9:15-13:00⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎
14:00-17:30⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎⚪︎××
17:30-19:00×⚪︎×⚪︎×××

★…土曜日(毎週), 日曜日(月2回不定期)は8:30-11:30
※受付終了は診療終了時間の30分前となります。
※祝祭日は休診となります。

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