つわりは、妊婦さんの約8割の方が体験すると言われており、気持ち悪さ、嘔吐、食欲不振の症状をいいます。妊娠初期のつわりは、身体も心も大きく変化する時期に起こるため、「食べられない」「吐き気が止まらない」「仕事や家事がつらい」など、日常生活に大きな負担となることがあります。つわりの感じ方は人それぞれで、「昨日は大丈夫でも今日は食べられない」といったように、日によって症状が変わることも珍しくありません。
つらい状況の中でも、「赤ちゃんのために頑張らなきゃ」と無理をしてしまう方もおられますが、つわりは治療で軽くできることがあり、我慢し続ける必要はありません。
食事や水分がとれず体重減少、脱水、電解質異常をきたした場合は「妊娠悪阻」として病名がつきます。つわりも妊娠悪阻も、はっきりと原因はわかっていませんが、妊娠初期に急増するhCGが関与していると考えられています。
つわり症状への対応・治療
| 保険診療 | 漢方 ビタミン剤 吐き気止め 点滴による補液 |
| 自費診療 | ボンジェスタ |
当院では、つわりに対して、標準的な治療として漢方や吐き気止めの処方を行っています。
妊娠悪阻の方には、糖液にビタミン剤と吐き気止めを混ぜた点滴加療を行っています。
保険診療の範囲での治療で効果が得られない・少ない方の為に、費用が高額にはなってしまいますが、当院では自費薬としてBonjestaの処方も行っております。
つわりの症状にお悩みの方やこの症状のために仕事の調整が必要な方は、まずはご相談のために診察にいらしてください。
つわりに対する内服薬
つわり治療薬(自費薬)ボンジェスタ®
ボンジェスタ®はつわり(妊娠悪阻)による吐き気や嘔吐の症状を和らげるために開発された薬です。日本では未承認ではありますが、海外でつわり治療薬として一般的に使用されている内服薬です。
抗ヒスタミン薬ドキシラミンコハク酸塩とビタミンB6(ピリドキシン塩酸塩)を含有した経口薬で、海外の産婦人科ガイドラインでもつわり治療薬の第一選択薬として推奨されており、吐き気・嘔吐を抑える効果が証明されています。保険診療で処方できる薬が限られているため、なかなかつわりが良くならない方はぜひご検討ください。
ボンジェスタ®の特徴

- 妊娠悪阻の症状に対して海外で承認された治療薬
- 海外ではすでに広く使用されており、安全性に関するデータも蓄積されいる
- 内服により吐き気や嘔吐の軽減が期待でき、入院や点滴が必要となる前段階での対応が可能
保険診療ビタミンB6や漢方

つわりの緩和にビタミンB6の経口摂取が有効だという報告があります。妊娠中にも摂取可能なマルチビタミンのサプリメントは、葉酸なども含んでおり、食事で十分な摂取ができない時期に補充できるメリットもあります。
一般的な用法・用量であればビタミンAについても胎児に影響を与える量にはなりません。また、小半夏加茯苓湯、半夏厚朴湯などの漢方が有効な場合があります。
嘔吐が著しい場合は点滴による補液
経口水分摂取が難しい時などは、糖分とビタミンB1を含んだ点滴による脱水補正の適応となります。通院での点滴加療が難しいくらいの重症妊娠悪阻の場合には入院適応になります。
※当院通院中の方に限ります※
- 点滴所要時間は約2時間です。
料金
| ボンジェスタ | 5日分 | ¥11,000 |
| 10日分 | ¥22,000 | |
| 20日分 | ¥41,800 |
すべて税込み
最終更新2025/11/19
産婦人科医・助産師が執筆産科コラム
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